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2006年 09月 08日

Thanksgiving

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サンチェスが無安打無得点 新人では5年ぶり (共同通信) - goo ニュース
Marlins rookie Sanchez throws majors' 1st no-no in 2 years(ESPN)
Sanchez tosses no-hitter vs. D-Backs(MLB.com)
Girardi watches from different angle(MLB.com)
Sanchez has no-hitter; Red Sox have no clue (FOX Sports)


アメリカのある女性歴史家が、野球とは「家(ホーム)」を出て1塁、2塁、3塁と進む間にいろいろな危険な目に遭いながらも、
最後に「家」へ辿り着くと安心できるゲームである、ということを話していたのを聞いたことがあります。これを先発投手の視点で見れば、
1回、2回、3回・・・と進む間にいろいろな危ないところを体験しながらも、9回まで投げぬいたところでホッとできる、というところでしょう。

このアニバル・サンチェスというまだ英語もたどたどしいベネズエラ出身の選手がメジャーリーグでの"no-hitter drought"を
史上最長の841日間で終わらせたこの試合を見たとき、そう感じてしまいました。現地のレイバーデーに行われた、
フロリダSt.対マイアミ・フロリダ戦とはぜんぜん違って、40%以下の観客の中(試合開始時点では約2000人しかいなかった!?)
ノーヒッターの瞬間に立ち会うことができた人たちはホントに勝ち組でしょう。

ノーヒッターが出る試合では、往々にしてすごいプレイが連発されます。それもそのはず、マーリンズのルーキー先発投手の中でも、
ベテランのような落ち着きを持って投げるサンチェスのペースが守りにもいいペースを与えていましたし、バックの選手たちも
集中を図ることができていました。その中でも大きなピンチは3回ありました。これらのときには、サンチェスは「きた~!」
っていうくらいの喜び様を出していました。

1回目は4回表。サンチェスが2四球で1死1・2塁。1アウトを捕った後、チャド・トレイシーがレフト浅めに放ったライナーを、
ジョシュ・ウィリングハムがダイビングキャッチ。テレビの実況では"Light!Camera!Action!Catch!"と大興奮していました。
2回目のピンチは7回表。2死ランナーなしでスティーブン・ドリューがセンターへ抜けようかというゴロを打ったのですが、
そこにハンリー・ラミネスの素晴らしいフィールディングでアウト。この二つはどちらも2アウトで出たというところが全体の勢いを
増した要因だったと思います。

逆に3回目のピンチは8回表の1死ランナーなしの場面。ここで構えからしていやらしいクレイグ・カウンセルが代打で出ます。
これ自体ピンチだと思ったのは3ボールになったときです。その後、2ストライクを捕り結局もしくは幸運にも四球。そして次の
オーランド・ハドソンが変則的な4-3-6という併殺を打ち攻撃終了。ノーヒッターだという結果は知っている上で見ていましたが、
さすがにこの併殺が出たときには「何だこの併殺打は!」という笑いが出てしまいました。ノーヒッターの試合では奇跡も起こります。

一方ベンチで見ていたジラーディ監督(現役時代には2回のノーヒッターを受けている捕手)は選手としてノーヒッターの
場面にいるときと違って、ベンチで座る以外何もすることができないから神経が磨り減ると話しています。それだからなのか、
9回表にジョー・ボロウスキーにも登板の準備をさせていたようですが(もちろんテレビ中継ではそんなところを写すわけもなく)、
これがジラーディが心を落ち着かせる最大のことだったのでしょう。一方で「(降板させたりして)サンチェスのキャリアを
台無しにしたくはなかった」と選手を信じる監督らしい発言もしています。6月末にメジャー昇格したサンチェスにとっても、
この試合で大いに自信をつけたはずです。

ところで、この試合にまつわる皮肉なこと3つ。その1:841日前にノーヒッターを果たしたチームはDバックスでした(相手はブレーブス)。
その2:そのときの先発投手はランディ・ジョンソンでした。実はジョンソンも水曜日に先発して7回までノーヒッターペースでの
好投をしていたようです。もしジョンソンがノーヒッターを達成していたら・・・でも相手がロイヤルズなので「アスタリスク」付きかも?

そしてその3:サンチェスは昨年のサンクスギビングのときにレッドソックとマーリンズとのトレードでマーリンズに来た若い選手の
ひとりです。レッドソックスはマイク・ローウェルやジョシュ・ベケットなどを獲得しましたが、ヤンキーズキラーとして期待していた
ベケットは大目に見てまぁまぁ。逆にレッドソックスが手放した選手はみんな大活躍をしています。おまけに放出選手の中にいた
サンチェスはメジャーデビューのヤンキーズ戦で勝ち投手となっており、今やマーリンズはレッドソックスがいない立場にいます。
ワイルドカード争いで首位と3ゲーム差。

しかしいつまでもノーヒッターで浮かれているわけにもいかず、翌日からマーリンズはワイルドカード争いで同率の
フィリーズを向かえます。ライアン・ハワード、チェイス・アトリーをノーヒットとは言わずとも、抑えることができるでしょうか?

by nono_aibon | 2006-09-08 00:11 | MLB


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