2005年 02月 18日
NHLは望みなしリーグ 五輪に影響?シーズン中止( 共同通信) "No Hope Left"とはCBCもうまいことを言うよね、と感心している場合ではありません。 北米プロスポーツ史上初めて(恐らく全世界のプロスポーツを含めてもかなりレアケースと思われるが)、 NHLが労使紛争の拗れにより全シーズン取りやめとなりました。NHL人気が明らかに下降気味にある アメリカでさえ、このニュースは主要スポーツニュースサイトで大々的に取り上げられました。 皮肉なことは、アメリカでNHLについてこれだけ大きい扱いを受けたのは、今年これが最初で、 恐らく最後ということでしょう。 最大の争点はサラリーキャップ制度の導入についてです。最終提案としてリーグ側が提示した限度額は4250万米ドル、 もともとサラリーキャップ自体に反対の選手側が提示した限度額が4900万米ドルでした。 各種アンケートを見ても、選手側への風当たりが強いことがわかります。ここ最近の風潮として、 ただでさえ高い選手給与に対して、それでも不満を持っている選手への、ファンが不満を持っていることが 明らかでしょう。一方でリーグ側の提示した「4250万ドル」という数字にも妥当性があるのか、 専門家の一部には疑問を持っています。 いずれにしろ、1992年のストライキ、94年の経営側によるロックアウトを経て、今回の労使紛争が重なり、 特にチーム数が多いアメリカ国内でのNHL人気は下降の一途をたどり(税金の高いカナダを避けて カナダの中規模都市にあったチームは雪のないフロリダやアリゾナまで本拠地を移転しています)、 アイスホッケーを国技とみなしているカナダですら、NHL人気が下がりだすのは疑う余地が無いでしょう。 既にアメリカでは、放映権料を下げなければNBCが契約してくれなかったくらい、NHLが「4大プロスポーツ」からの 地位の陥落、もっといえば「北米3大プロスポーツ」と呼ぶべき時代になったとも言えそうです。 一方、この騒動を他人事として見ていけないのが、サラリーキャップがないMLBです。以前も話したように、 「贅沢税」制度はあるMLBですが、一部金持ちチームに有利な制度であるためか、給与上昇の歯止めには 全くなっていません。その上、今月に入ってから、ステロイド問題が一気に加熱しだしています (給与制度による労使紛争による1994年のストライキ以後、MLBが人気を取り戻したのは、 ステロイドのお陰、という皮肉すら言われだしています)。次回の労使協定では、またサラリーキャップを はじめとした給与制度の問題が再燃しかねないですが、一度ストライキをして痛い目を見たMLBは、 NHLと同じ轍を踏まないようにしなければなりません。 そして、今回のNHLの問題は給与制度の議論がほとんど行われない日本プロ野球も、 教訓として学ぶべき点があまりにも多いと思うのですが・・・
by nono_aibon
| 2005-02-18 14:32
| その他アメリカのスポーツ
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